デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

なんとなくその場にしゃがんで、ガリガリと小石で地面をひっかく。

(……謝んないとな………)

あれだけ好きって言ってくれてる人に、ひどいこと言った。

いくら、あの場で惨めになったからって、それは王様のせいじゃないのに。

お店に戻らなきゃと思うが、やっぱりかわいい女性に囲まれてると思うと、モヤっとして、腰が上がらない。

そんな自分にうんざりしていると、ふっ、と誰かの影が落ちた。


「何をしている?」

風のような声。

「!」

ギクリとして、体が強張った。

体が震え始め、ゆっくりと顔を上げる。
フードを深くかぶった白い顔が、ニタリと笑いながら自分を見下ろしていた。

チラ、と黒い瞳が見えて、桜と目が合うと、一瞬だけその色が金色に輝いた。

これで、4回目の邂逅だ。もう、偶然ではない。

クックッと喉の奥で笑い、桜の心を読んだかのように冷たく言った。

「お前の匂いは、覚えたからな。街にいればすぐに分かる」

氷のような手が、桜の腕をつかんでぐいっと立たせた。

機械のような、慈悲のない力強さだ。