デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「いや……もうネックレスはありますから」

毎日つけている、カナンに買ってもらったこのネックレス。
別に、これに不満は何もないどころか気に入っているし、わざわざ他にはいらない。

「………カナンから贈られたのが良くて、私のは嫌か」

少し、王は面白くなさそうな顔をする。

(何言ってるんだか。自分は女の子に囲まれて)

小さな苛立ちとともに呆れた。

「そうじゃなくて、もうネックレスはこれ以上いらないと言ってるんです」

なら、と気を取り直す。

「指輪は?若い女に人気だそうだが。きっと、そなたにも似合う」

指輪。この世界ではどうか知らないが、桜にとっては、異性から贈られる物の中では、他のアクセサリーよりもかなり意味が深い気がする。

思わず赤面した時、娘たちの中の誰かがクスッ、と桜を嗤った。

思わず顔を上げると、王の後ろで少し慌てた感じで、二人の娘が肘でお互いを突き合っていた。

無性に恥ずかしいというか、惨めな感じがする。