デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

顔を赤くして、店の商品で身を飾った店員たちが王の周りを囲んで恥じらったり、アクセサリーの説明を始める。

職業病と言うべきか、早く桜への品を選びたい思いとは裏腹に、王も微笑みを浮かべていた。

モヤ。

胸に、おかしな不快感。
女性たちに囲まれて、優しく微笑みながら何事か尋ねている彼の様子を見ていると、何だか少し惨めなような、悲しいような。

さっきまでの楽しかった気持ちがしゅんとしぼんで、桜は背を向けて一人でぼんやりと、きらびやかなアクセサリーを見ていた。

(別に、アクセサリーなんか、いらないのにな……)

ちら、とまた彼らを見ると、相変わらずスタッフが王を囲んでいる。

いっそうげんなりして、もう外で待ってようかな、と思い足をドアに向けようとした時、王が声をかけた。

「桜」

「はい」

振り向くと、若い女性スタッフも一斉に彼女を見た。

「何か、欲しいものはないか」

「……いえ、別に…」

居心地悪くて、小さく答えてうつむく。

「聞いたところ、ネックレスが今たくさんあるそうだが。そうであろう?」

「はい!」

紫の目線を向けられた娘が、ふわっと頬を染めてうなずいた。