デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

桜も笑う。

「よかった。……好きな食べ物、一つできましたね」

王の部屋に泊まった時の桜の言葉を思い出して、彼もうなずいた。

「好きなものができるというのは、非常に厄介だが……良いものだな」

そう言って、繋ぐ手に少し力を込めた。

ふと、桜は空を見上げる。少し日が傾き始めていた。

「そろそろ、道を折り返した方が良さそうですね」

「……ああ」

大路を横切って、道の向こう側へと移動し、王宮の方へ向かって歩きだした。

またしばらく、人馬の流れや露店などを眺める。

話し声や呼び込みが、いっそう活気を帯びて賑やかだった。

と、若い娘が二人で何やら店の前で看板を持って立ち、高い声を上げて呼び込みをしている。

「いらっしゃいませ〜!」

「今なら新作アクセサリー、レジにて100クラネオフでぇ〜す!」