デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「どうですか?」

少し心配そうな顔で見たが、王はにっこり笑った。

「初めての味だ。だが、悪くない」

「良かった。他にもありますからね」

桜がホッとして袋をまた差し出した。

「全部違うのか。そなたが持っているのは?」

「私のですか?塩味の鳥って言ってたかな。あっさりしてますよ」

目の前で小さく振る。すると。

ぱくり、と何のためらいもなく、桜の手の中の串焼を一口食べた。

「!!」

(ちょっ………これ、食べかけ……)

ボッと顔に熱が集まる。

「……うん、悪くない」

ちろり、と口もとを舌がなぞるのを、固まって見ていた。


余程気に入ったのか、嬉しそうに残りの三本もぺろりと食べた。
桜の方はさっきの不意打ちでお腹いっぱいだったが。

ゴミを捨てに行き、王は満足そうに微笑んで、また手を繋いで歩き出す。

「おいしかったですか?」

「ああ。宮中の食事とは全然違って、熱くて新鮮だ」