デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

おかみは困惑していたが、桜が買った二本に、別の種類の串を三本足して袋に入れ、使い捨てなのだろう、簡単なカップに入った飲み物も持ってきた。

「これでもとても足りやしないけど…持っていっとくれ。今度また来たら、お代は要らないからね」

「ありがとうございます」

ぺこっと頭を下げて、王が待つ場所へ。

「お待たせしました。なんかすごくおまけしてくれましたよ」

「……ああ」

「どうしました?」

桜が不思議そうに顔をのぞき込むと、まだ少し赤いままの目元を桜に向けて、

「…何でもない」

と小さくすねて言った。
『カワイイ』なんて、言われたくないのに。

「お昼ごはん食べちゃったけど…入るかな?」

桜が袋を差し出すと、そっと一本取ってまじまじと観察する。

「いただきます」

先に桜がぱくりと一口。

「あ、美味しいですよ。でも庶民的な味だから、お口に合えばいいけど」

にっこり笑って見せると、そろそろとぎこちなく串の先を口に含んだ。

「………!」

紫の瞳が軽く見開かれた。