デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

桜が提案する。

紫の目を輝かせて、こくんとうなずいた。

その顔に思わず、ふふ、と笑いがこぼれる。

「王さ…じゃない、あなた、カワイイ」

赤面して固まる王に、「私、買ってきますね」と言い残して露店に向かった。

昼食は済まして来ているので、一本ずつ買う。

「いらっしゃい。何にしましょ」

おかみがにこっと笑った。

「ええと…おすすめありますか」

「そうだね、女の人にはこっちの塩味の鳥串、男の人にはタレ味の牛串がよく売れるよ」

「じゃあ……一本ずつください」

言いながら、足りるかな?と金貨を一枚出す。すると、おかみは目をむいて頭を振った。

「お嬢ちゃん、困るよ!金貨なんて!2つで40クラネだよ?!お釣りが出せやしない!」

「え……」

困った。金貨以外持っていない。一瞬桜は考えて、

「じゃあ、お釣りは結構です」

「は!?いや、そんなわけには行かないよ!」

「いえ、ほんとに。えと…主人、が……どうしても食べたいらしくて。でも金貨しかないんです」

慣れない。少し赤くなりながら、そっと金貨を手渡した。