(……そういえば)
ここは、前に王様の怒りを買って、あの寝台の上に押し倒された部屋だ。
少し赤くなって、目線を泳がせた。
王様はもう何とも思っていないのかな。……いや、思ってくれていないほうがいいけど。
「桜」
もやもやと恥ずかしさとともにあの出来事を思い出していると、王の声がその思考を中断させた。
「あっ……はい」
振り返ると、すっかりいつもとは違う雰囲気の彼がその場に立っていた。
シャツとパンツにマントをはおり、腰には剣。頭には布が巻かれて、藍色の髪が一房、胸の上にこぼれている。
さながら武官のような格好だが、頭の布がまるで遠方の地の民のような雰囲気だった。
(はあ………美人はどんな格好しても、美人だよ)
ここまで似合っていると、ため息しか出ない。
「どうだ、これなら一見して私とは誰も分からないだろう?」
にっこりと笑って言った。
「王の格好は、長い髪をしていて、上衣を着て、アクセサリーを大量につけているというのが当たり前になっているからな。人間というのは、とかく思い込みやすいものだ」
そう言うと、小さな中庭に通じる障子を開けた。
「行こう」
「えっ……こ、ここからですか?でも、中庭ですよね。外になんか、出られるんですか」
ここは、前に王様の怒りを買って、あの寝台の上に押し倒された部屋だ。
少し赤くなって、目線を泳がせた。
王様はもう何とも思っていないのかな。……いや、思ってくれていないほうがいいけど。
「桜」
もやもやと恥ずかしさとともにあの出来事を思い出していると、王の声がその思考を中断させた。
「あっ……はい」
振り返ると、すっかりいつもとは違う雰囲気の彼がその場に立っていた。
シャツとパンツにマントをはおり、腰には剣。頭には布が巻かれて、藍色の髪が一房、胸の上にこぼれている。
さながら武官のような格好だが、頭の布がまるで遠方の地の民のような雰囲気だった。
(はあ………美人はどんな格好しても、美人だよ)
ここまで似合っていると、ため息しか出ない。
「どうだ、これなら一見して私とは誰も分からないだろう?」
にっこりと笑って言った。
「王の格好は、長い髪をしていて、上衣を着て、アクセサリーを大量につけているというのが当たり前になっているからな。人間というのは、とかく思い込みやすいものだ」
そう言うと、小さな中庭に通じる障子を開けた。
「行こう」
「えっ……こ、ここからですか?でも、中庭ですよね。外になんか、出られるんですか」
