そして、部屋の隅にある小さな棚から、紙と筆を持ってきた。
「王様……何、してるんですか」
サラサラと、何やら文字を書き出すその手元を不思議そうに見た。
「通行証だ。堀を渡ったり、万が一兵士に見とがめられた時のためのな」
そう言って、おかしそうに笑う。
「まさか、自分で自分のために通行証を書くとは思わなかった」
最後に赤い墨でサインのようなものを書き、また同じものをもう一通書いた。
「私の直筆の、王宮内を自由に出入りさせよという通行証だから、一番確実で、強力なのさ」
ヒラヒラと墨を乾かし、一通を桜に渡した。
立ち上がり、古い剣を見えないように上衣の下に差す。
「あとは…金だな。現金は【蔵の司】にしかないが…さてどうしたものか」
「……適当なアクセサリーを、街の質屋か何かで現金に換えたらどうですか」
桜が言うと、くる、と彼女を振り返り、クスッと笑う。
「そなたも悪よの」
まるで汚職代官と悪徳商人だ。
(はあ……犯罪の片棒担いでる気分)
正義の味方のおじいちゃん御一行や、町人に身をやつした将軍様に成敗されないように、思わず祈る。
「王様……何、してるんですか」
サラサラと、何やら文字を書き出すその手元を不思議そうに見た。
「通行証だ。堀を渡ったり、万が一兵士に見とがめられた時のためのな」
そう言って、おかしそうに笑う。
「まさか、自分で自分のために通行証を書くとは思わなかった」
最後に赤い墨でサインのようなものを書き、また同じものをもう一通書いた。
「私の直筆の、王宮内を自由に出入りさせよという通行証だから、一番確実で、強力なのさ」
ヒラヒラと墨を乾かし、一通を桜に渡した。
立ち上がり、古い剣を見えないように上衣の下に差す。
「あとは…金だな。現金は【蔵の司】にしかないが…さてどうしたものか」
「……適当なアクセサリーを、街の質屋か何かで現金に換えたらどうですか」
桜が言うと、くる、と彼女を振り返り、クスッと笑う。
「そなたも悪よの」
まるで汚職代官と悪徳商人だ。
(はあ……犯罪の片棒担いでる気分)
正義の味方のおじいちゃん御一行や、町人に身をやつした将軍様に成敗されないように、思わず祈る。
