公宮の中ほどまで来たところで、二人は別れた。
「じゃあ、また夕方ですね」
「ああ」
そっと手を離し、アスナイは笑って片手をあげた。
てくてくと奥へ歩いていく桜の後ろ姿を見守っていると、横の通路から明るい金髪の文官が出てくるところだった。
「!」
お互い驚いたように立ち止まって、少し話をしている。
桜が少し慌てているようだ。
と、金髪の文官が笑いながら、桜の片頬をごく自然な所作でつまんで、何か言う。
すると、桜が両手の拳で文官の胸を叩いていた。
笑顔を大きくして、すい、とすくうように彼女の手を取り深宮の方へ歩き出す。
そのまま、二人の姿は見えなくなった。
「………」
なるほど、夫婦に間違われるはずだ。
何の屈託も遠慮もない、仲のいい同い年のやりとり。
あの文官しか手に入れられない、全くの素のままの桜の表情。
ぱっと踵を返し、逃れるようにその場を後にした。
(……くそ。あんなガキに妬くとは)
小さく舌打ちして、宮を出た。
「じゃあ、また夕方ですね」
「ああ」
そっと手を離し、アスナイは笑って片手をあげた。
てくてくと奥へ歩いていく桜の後ろ姿を見守っていると、横の通路から明るい金髪の文官が出てくるところだった。
「!」
お互い驚いたように立ち止まって、少し話をしている。
桜が少し慌てているようだ。
と、金髪の文官が笑いながら、桜の片頬をごく自然な所作でつまんで、何か言う。
すると、桜が両手の拳で文官の胸を叩いていた。
笑顔を大きくして、すい、とすくうように彼女の手を取り深宮の方へ歩き出す。
そのまま、二人の姿は見えなくなった。
「………」
なるほど、夫婦に間違われるはずだ。
何の屈託も遠慮もない、仲のいい同い年のやりとり。
あの文官しか手に入れられない、全くの素のままの桜の表情。
ぱっと踵を返し、逃れるようにその場を後にした。
(……くそ。あんなガキに妬くとは)
小さく舌打ちして、宮を出た。
