デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

少し強い力で、店内へと連れ戻された。

カウンター上には、話が盛り上がったのだろう、たくさんの薬の材料が並べられている。

「お連れ様は、いらっしゃいましたか」

主人が少し微笑んでアスナイに言った。

「ああ、すまない。会計の途中で」

「いえいえ」

買った品物をせっせと紙で包んでいた孫娘は、彼が桜の肩を抱いているのを見て、すぐにパッと目を伏せた。

少しだけ眉を下げて、頬を赤くしている。

(あ……この子、もしかして)

ちら、とアスナイを見上げた。
自分のそれにはすこぶる鈍いくせに、こういう時はなぜかカンが働く。

(無理ないよなあ……こんなに美人さんだし、ああやって優しく褒められたら、誰だって好きになるよ)

主人が穏やかに言った。

「しかし、アスナイさんが二人連れで見えられるのは初めてですね」

「あ…初めまして。すみません、フードは取れないんですけど」

あわてて挨拶をする桜。

ふふ、と主人は知性を感じさせる瞳を細めた。
リンナと呼ばれた娘は、赤い顔のまま、桜をちらっと見た。

「いえいえ。……見たところ……妹さんですか?」