デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「へえ……」

アスナイの目が興味と探求心に輝き始めた。
ためらいなく、干されていたり、ビンに詰められた材料に手を伸ばしてまじまじと見る。

「ええと、土の物は何があったかな、リンナ」

主人がかたわらにいる娘に聞いた。

「あっ……えっと………黒百合の花と…紫ハスの根と……あと、オオユべニシダの胞子嚢が最近は……」

アスナイの紺色の目に見つめられ、真っ赤になって答えた。

「それはすごい。相変わらず薬草とりの名人だな、リンナ」

破顔する彼に、

「あっ……」

ますます顔を赤くして、カウンターの下から品を出し、

「ど…ど…どうぞ」

少し大きめのビンに入った三つを差し出した。それをかざして見て、

「品もいい。主人、いつ隠居しても孫娘がいるから安泰だな」

ふふん、と笑って、からかうようにメガネの奥の穏やかな目を見た。

「勘弁してくださいよ。生き甲斐を無くしちゃ、自分のとこの商品のお世話になってしまうじゃありませんか」

フフ、と困ったように笑って言う。