デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

表の入り口に着くと、アスナイがすでに待っていた。

「おはようございます。すみませんアスナイさん、お待たせしましたか」

「いや、大して待ってない」

振り向きながら、桜を見て微笑んだ。

「………」

ふと真顔になって、自分を見上げる彼女を見つめた。

「アスナイさん?」

黒い瞳を向け、艶っぽい口もとを少しあけて、首を傾げる。
今日もストールをはおっているが、白い肌が陽を浴びて淡く光っていた。

「いや……」

少し赤面して、横を向いた。

「?行きましょうか」

何だかいつもより固い雰囲気の彼を不思議に思いながら、ケープを着て、フードをかぶった。

何となくホッとしたような、もっと見たかったような、複雑な気持ちでアスナイもうなずき、歩き出した。

馬車の中で、桜はアスナイに聞く。

「アスナイさん、今からどこに行くか、決めてるんですか?」

グレーの柔らかな髪をなびかせながら、うなずいた。

「ああ、悪いがちょっと、俺の買い物に付き合ってくれ」