朝の公宮の中は、相変わらず活気にあふれている。
主に文官が、資料や報告書を持って走り回り、女官達も忙しそうにしていた。
すいすいと二人は人を縫って進む。桜はケープを付けておらず、髪がむき出しのままだったが、慌ただしい人たちはそれに気づくことはあまりなかった。
そうでなくても、王の客人は黒髪黒い瞳というのは広まっていたので、ぎょっとした顔をされることはあっても、見咎められることはなかった。
三人はすたすたと歩いていたが、ふいにザワ、と小さくまわりがざわついたかと思うと、一斉に皆深く礼をした。
「!?」
その示し合わせたかのような行動に驚いて横を見ると、フラウとルネもひざまずいて頭を垂れている。
前を見ると、近衛と臣下数人を従えた王が、謁見の間に向かうところだった。
(お仕事かぁ。大変だな)
そう思いながら見守っていると、ふと紫の目がこちらを向いた。
歩きながら、少し驚いたような顔をする。
今更礼をするのも何だかなと思ったので、微笑んでそっと手を振った。
すると、向こうも嬉しそうに笑って片手をあげる。
誰も知らない一瞬のその笑顔に、胸がどきりとした。
(………?)
王の姿が見えなくなって、皆が礼を解いてもなかなか収まらない胸の高鳴りに、桜は戸惑っていた。
主に文官が、資料や報告書を持って走り回り、女官達も忙しそうにしていた。
すいすいと二人は人を縫って進む。桜はケープを付けておらず、髪がむき出しのままだったが、慌ただしい人たちはそれに気づくことはあまりなかった。
そうでなくても、王の客人は黒髪黒い瞳というのは広まっていたので、ぎょっとした顔をされることはあっても、見咎められることはなかった。
三人はすたすたと歩いていたが、ふいにザワ、と小さくまわりがざわついたかと思うと、一斉に皆深く礼をした。
「!?」
その示し合わせたかのような行動に驚いて横を見ると、フラウとルネもひざまずいて頭を垂れている。
前を見ると、近衛と臣下数人を従えた王が、謁見の間に向かうところだった。
(お仕事かぁ。大変だな)
そう思いながら見守っていると、ふと紫の目がこちらを向いた。
歩きながら、少し驚いたような顔をする。
今更礼をするのも何だかなと思ったので、微笑んでそっと手を振った。
すると、向こうも嬉しそうに笑って片手をあげる。
誰も知らない一瞬のその笑顔に、胸がどきりとした。
(………?)
王の姿が見えなくなって、皆が礼を解いてもなかなか収まらない胸の高鳴りに、桜は戸惑っていた。
