デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

また公宮の出入り口まで案内すると言って、二人は退出した。

朝餉を済ませたあと、ふとさっきルネが言っていた言葉を思い出す。

『桜様、せっかくそんな甘めのセクシーなワンピースですから、ちょっとリップのラインをぼかして、グロスを少し
だけ多めにおつけなさいませ』 

ああそういえばシディさんに教わったときにそんなこと言われたっけ……と思いながら、えーと……とバニティを漁る。

「えっと?口紅を指でとんとんして、このデロデロしたのをちょっと多めに乗せるんだよね」

悲しいくらいの低女子力が分かるセリフだが、彼女なりに一生懸命なのだ。

『服に合わせてメイクってのは変えんのよ、子豚』

そう言われたっけ。

何にせよ、こうやって自分の為を思って助言してくれる人がいるのはありがたいものだ。

そう思って、ルネの言うとおりにしてみた。

バニティバッグをしまったところで、タイミングよく二人がやってくる。

「桜様、ご準備がお済みでしたら参りましょうか」

その声に振り向いて、うなずいた。

二人は桜の顔を見つめて、満足げに顔を見合わせた。