デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

素直になれないのと、つまらない嫉妬で、好きでたまらない彼女に酷い事を言った。

“ケツの青いガキ”

冷たく笑うアスナイの顔を思い出した。

悔しいが、そのとおりだ。

はあ、と息をつき、戸口に向かう。

「桜……そうじゃないんだ」

しんとして、彼女が聞いているかいないかは分からない。

「ごめん………お前に嘘をついた」

そっと、戸に触れる。

「よく似合っていたし、可愛かった。………いつも、そう思ってる。今更言っても信じられないかも知れないが」

くっ、と戸に触れた手を握った。

「だから……お前と長い時間過ごせる我が君や、あの武官達が羨ましい。私はいつも、ここから深宮までの一往復分の時間しかない。あとはこうやって何かと理由をつけて、お前の時間をかすめ取るような真似しか出来ないんだ」

眉根を寄せて、緑色の目を伏せる。

「焦って、悔しくて、お前に八つ当たりした。あのムカつく武官の言うように、ガキだ。すまない」

手を離し、しばらく戸口を見つめた。

相変わらずしんとしている。