デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

本当に、誰だ?この娘を着々と磨いている奴は。

今すぐやめろと言いたい。
これじゃ、赴任地に帰っても心配で仕方がない。

「アスナイさん、明日はお休みなんですよね?」

のぞき込むその仕草も、いつもよりずっと色っぽく見える。
悟られないように、小さく喉をならした。

「ああ。朝にまた公宮の入り口に来るから、出かけないか、一緒に」

「いいんですか?私と会っちゃって…せっかく王都に戻って来てるのに。お友達とか、彼女さんとかと会わなくていいんですか?」

「俺が一番会いたい人間には…今会ってる。と言うか、会いたくもない人間に会うほど、俺はお人好しじゃない」

「?」

「………」

はあ、とため息をついた。なるほど、やっぱり全く分かっていない。

じろ、と紺色の瞳が桜を睨んだ。

「……荒療治だ。お前が悪いんだからな」

「へ?」

間の抜けたような声で聞き返す彼女の顎をつかんで、素早く唇を繋げた。