デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

結局、ケープを返してもらうのは断念して、そのまま二人で食事を取る。

アスナイはシュリのように、おいしそうにむしゃむしゃ食べるわけではなかったが、きれいに飲んで、きれいに食べる。
それよりびっくりするのが、ほとんどシュリと量が変わらないことだ。

武官は皆こんなもんだぞと言っていたシュリの言葉を思い出して納得する。

「アスナイさんも、気をつけないと痩せちゃうんですか」

一定のペースでなくなっていく料理を、目を丸くして見ながら桜は聞いた。

「まあな。武官は肉体労働だから。特に家庭も持たない若い連中はキリキリ働かされる」

「へえ……」

「だが、現場を離れて上でふんぞり返るようになると、一気に太る奴らが多いんだ。食う量はそのままなのに、動かないからな。馬にもろくに乗らなくなるんだ、当たり前だ」

ニヤッと笑って、フォークを軽く振る。

「はあ…そうなんですね…やっぱり武官の奥さんて大変だなあ。たくさん作って、体の事も考えないといけないんですよね。転勤もあるし」

「まあ、妻が聡明な武官は、醜く肥えてはないな。それに、仕事も上手くいっている人間が多い。だからそういう家庭ほど、妻には頭が上がらない」

何人か心当たりがあるのか、くすくすと笑う。