デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

街への堀を渡って、二人は馬に乗った。

やっぱり兄妹に間違われたアスナイと桜。

「…妹をわざわざ引き連れて王宮に来る奴がいるもんか。全く、バカな衛兵だ」

顔をしかめながら、桜の騎乗に手を貸した。

桜は笑いながら云う。

「シュリさんとも、兄妹に間違われました。カナンとは夫婦でしたけど」

「カナン?」

「さっきの金髪の…」

「…ああ、あの小僧か」

噛んで捨てるように言って、自らもひらりと飛び乗る。

「よく考えたら、私、シュリさんともアスナイさんとも全然似てないのに」

フードの下でふふ、と笑った。


常歩で、人の多い大路を縫うように馬を進めていく。

(はあ…シュリさんもだけど、アスナイさんもやっぱり上手いんだなあ)

感心して、アスナイの足元や手元を見ようときょろきょろする。

「……何してるんだ、桜」

怪訝そうな声が、後ろ上から降ってきた。

あ、とアスナイを振り仰ぐ。

「シュリさんにも思ったんですけど、やっぱり武官さんは乗馬が上手だなあって」

「うん?」

少し首をかしげる彼に、乗馬を習うことを言おうかなと思ったが、びっくりさせたかったので口をつぐんだ。

「何だ、いきなりそんなこと言い出して」

「内緒です」

夕日を受けて、にこっと笑うその顔に、どきりと心臓が高鳴った。

初めて会った時からの、素直で優しい雰囲気はそのままだったが、よく見ると肌はみずみずしさをとりもどして、彼女の雰囲気によく合った程よいメイクがしてある。