デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「…そ、そんな言い方…」

「じゃあ他にどんな言い方があるんだ、言ってみろ」

いつになくトゲのある言い方に、桜もさすがに言い返した。

「何なの、昼から。いくら私がこんな……太ってて分不相応な格好してるからって、なんでカナンにそこまで言われないといけないのよ。関係ないでしょう」

桜の突き放すような言葉に焦って、そしてムカッとした。

「本当の事だろうが。お前バカか。似合いもしない服着て、化粧して、それでお前の素顔が何か変わると思ってんのか」

ぐっ、と口をつぐむ彼女がうつむく。

瞬間、しまった、勢いに任せてなんて事をと青くなったカナン。

彼が何か言おうと口を開くと、桜が先に言った。

「……王様は、優しく可愛いって言ってくれたよ。嘘でもね。カナンみたいに、人をみじめにさせる言い方、絶対しない」

「!」

頭を殴られたように、何も考えられなくなった。

その時。

「――桜?」

言い争うのが聞こえたのか、凛とした声が名前を呼んだ。

いつの間にか出入り口まで来ていたらしく、夕日を浴びてアスナイが姿を見せた。

「アスナイさん…!」

驚く彼女のもとに、コツコツと静かな足音で歩み寄った。

「何だか久しぶりだな」