デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「いやでも泊まりって………じゃあ、ソファで寝てもいいですか」

「………」

王が微笑みをひっこめ、少し考え込んでいたが、仕方ないと言うようにうなずいた。

「…いいだろう」

ほっ。

なんだかむちゃくちゃハードルが上がってしまった。桜の思いつきは、ピクニックの帰りにちょっと王様の部屋で一緒にお茶して、できたら何か贈り物でもして帰ろうというものだったのだが。

また、あの緊張が再びか………

が、言い出しっぺは自分だ。話が飛躍してしまったとはいえ、こっちからやめたいというのも………。

それに、乗馬の事も仕事のことも、そして自分が街へ出かけることも、色々我慢してくれているのだろう……さっきの言い方からすると。
少々頑張ってみようと思った。

「いつにしましょうね、ピクニック」

「そうだな。この数日のうちにしよう。雨の神告が出ない日に」

桜との触れ合いを無理やり中断させられた不機嫌さは直り、いつもの穏やかな微笑みを浮かべる王を見て、桜は胸をなでおろした。