デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「?」

ちら、と紫の瞳がこちらを見る。

「あの、今度、ピクニックやってみましょうって、言ったじゃないですか。その……」

恥ずかしくて、ちょっと言いよどむ。

「その日……あの……よかったら、また、王様のお部屋に来てもいいですか」

泊まるという勇気はない。ソファで寝るのを許してくれるならぎりぎりだが。

すると顔を頬杖から浮かせて、こちらを驚いたように見つめた。

「そなたが?……また、私の部屋に?」

「はい…あ、でも……これお礼になんかなりますかね…」

お礼にあなたの部屋に来てやるなんて、なんだそれと首をかしげる。

「……すいません、意味のわからないこと言いました。撤回しま」

「当然、泊まりだろう?」

「えっ」

にこっと笑って、固まる彼女を見る。

「それは嬉しいな。それに礼と言うからには、何かそなたから私にしてくれるのだろう?」

「ええっ?お…お話……じゃだめですか」

「それはもちろん大前提だが」

藍色の髪を揺らしてうなずく。

「な、な、何かって、何がいいんですか、王様……」

「それは、そなたが考えることではないのか」

片眉を上げて、からかうような微笑みを深くした。