デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

結局、桜が必死に懇願して、話をすることになった。

王はすこぶる不満そうだったが。

(だって、あ、あ、あんなのが夕方までって…死ぬよ)

ようやっと起き上がり、すかさずストールをはおる。
ふうっと安堵の息をついた。

「……昨日、シュリと会って、あやつの気持ちを聞かされたのであろう?」

脚を組み、頬杖をつきながらじろりとこちらを睨んだ。

「…………」

赤面して、下を向く。

「私がどれだけ我慢しているか、そなたにはわかるまいな」

「王様………」

今日だってそうだ。この後桜はアスナイと会うはず。

少しすねたように、わずかに口をとがらせた。

「……無理強いはしないから一度くらい、存分にそなたに触れてみたい」

恥ずかしい事をあっさりと言う。

そう言われると、王様は外に出られないのに、簡単に自分が他の人と外に出かけていくのが、とんでもなくひどいことのように思えた。

「………」

きゅっと唇を結ぶ。ありったけの勇気を出して、提案してみた。

「あの……王様。昨日言ってた、お礼の件なんですけど」