デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ぴっ、と片手を王の唇に当てて止めた。

む、と眉をひそめて、「何だ」とくぐもった声を出した。

「あの、あのですね、私実は明日もこんな感じの服、着ないといけないんです」

必死にいつもの時間に持っていこうと知恵を絞りながら言った。

「でも、明日もこんなんじゃ、とても身がもちません。だから、あんまりその、えーと、私に刺激の強いことされちゃったら、明日王様に会いに来るの、やめよっかなー、なんて……」

にへ、と引きつった笑いを浮かべて言ってみたが。

「…………」

全く表情を変えずにこちらを見据えていたかと思うと、かぷっ、と唇を押さえていた指を口に含んだ。

「ひゃあ!?」

その手首を捕らえて、ゆっくりと見せつけるように、薬指を深く口の中へ。

「お、お、王様……ちょっ……」

温かい舌が、指の側面を何度かなぞった。

「う……」

ぞわ、と背中が粟立って、きゅっと目を閉じる。

そんな様子に少し目を細めて、やっと指を解放した。

「私を脅すとは、いい度胸ではないか」

クスリと笑って、デコルテを優しくなでながら言う。

「明日ここに来ないなら、それはそれで別に構わん」

以外な言葉に、思わずまばたきをする桜。

その隙に、またチュッと唇にキスをした。


「ならば、私がそなたの部屋へ行くまでの事よ」