デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

朝餉が終わってから昼までのこの時間が一番ヒマだ。

部屋も別に散らかっていないし、本当にすることがない。

厩舎で働く選択をしたのは良かったかもしれない。
本当は今日からでもよかったのだが、さすがにこの格好ではナメてるとしか思われないだろう。

(シディさんにお願いするにしても、最初は男性用の服しか借りられないだろうな)

こちらの世界での女性のパンツがない以上、そうするしかないだろう。

(うーん、私ばんばんシディさんに借りを作ってるなぁ)

少し冷や汗をかいた。

しかし、こっちに『女性がパンツをはく』という概念がない以上、シディをどう説得するか。

(……男の人のミニスカを作りましょうと言われるくらいの衝撃だろうなー)

あれこれ考え事をしていると、まぶたが重くなってくる。

どうにも目が開けられず、薄い布団にくるまったまま、ソファで眠りに落ちた。



謁見の間で、珍しく王は大きな伸びをする。

一人目が一人目だったため、今日はなんとなく集中できずに疲れた。

(……昨日、桜はシュリとどう過ごしたのだろう)

ただでさえ昨日からそんな事に気をとらわれていたのに。

「我が君、神児からのご使者をお通しいたします」

近侍の一人が声をかけた。

うなずくと、すっと戸が開いて、いつものように白い衣に赤い帯を締めた女が入ってくる。