デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

桜がついにあきらめて、のそのそと食事をとっていた頃、王は謁見の間に向かっている最中だった。
ビッ、と豪華なネックレスに髪が挟まり、顔をしかめて乱暴にその髪を引きちぎる。
こんなに美しい容姿をしているのに、彼は自分を飾ることには全く無頓着だった。

肌触りのいいシャツとパンツが一番好きだったし、豪華な布張りの沓より、柔らかい革のブーツが良かった。

「……髪を切るか、このアクセサリーをつけないでもいいか、どちらかにしたい」

後をついてくる重臣以下の臣下に言う。

「恐れながら、我が君の威に関わりますれば」

ハイハイと言わんばかりに大臣が判で押したような回答をする。もう慣れっこだ。

「……汝ら、予よりもずっと年下の癖に、随分な言いようではないか」

じろっと睨むが、国の中枢にいる重臣も並ではない。

「左様でございます。千代に八千代にこの国におわします我が君。我々がいくら代替わりしても、そのお姿での謁見が保たれているということは、それは我々臣下の普遍的な願いであるのです」

「………」

うんざりして、謁見の間に入った。

今日も大勢の民や臣下がやってきている。

椅子に腰掛け、仕事の顔になる。

「帳を開けよ」