デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

次の日の朝、桜は困惑していた。

いつものように、ホカホカと朝風呂から出てきたばかりの白い肌から湯気がでている。

「………シディさん、一体どういうつもり…………」

ワンピースを着ようと手に取ったのだが、昨日着た白の清楚なものから一転、残り二着は、桜にとってはハードルが高すぎるデザインになっていた。
一枚は、黒のベアトップのワンピースで、膝までのフレアスカート。
もう一枚は薄ピンクのチュールをふんだんに使ったロマンチックなデザインだが、やっぱり袖がついていない。

「腕、まる見えじゃん…………背中も」

胸もあって、かつその他のパーツが細い女の子にしか似合うとは思えないものだ。

しかし、昨日のワンピースはもう洗濯に出したし、今までのはシディに返してしまった。

もう一度見ると、それぞれには色合いを見事に合わせた、大ぶりの薄手のストールがついていた。気になるようならこれをはおれということだろう。

「いやいや………透けるじゃないですか、どうやったって」

しかし、この二着以外に桜が着られるものはない。

「………シディさん、貸す人を間違ったんじゃ……」

仕方なく、せめて着痩せして見えないだろうかと、黒の方を着てみる。が、小さすぎることもなく、桜の体にピタリと合った。
ビジューやレースなどは一切ついていないが、かえってその美しくシンプルなラインが、シディの腕の確かさを証明している。