デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

何で分かるの、そんな事。

言葉にならずに、口を開けたままカナンの緑色の瞳を見た。

「あの武官のお前を見る目と、お前のその顔色と態度で分かる」

そっけなく言って、目線を外した。
なんという洞察力。宮中の人間ならではなんだろうか。

「………」

「何て、言われたんだ」

感情の読み取れない声で、桜に聞いた。

「え…あ……」

静かに緑の瞳に見つめられ、動揺する。

「お前が好きだから、自分の気持ちに応える事も考えて欲しい、と言われたか?」

「………」

「他には?」

他に……。

突然、あの強引で襲いかかるようなキスが頭によみがえった。

カアッと一気に顔に血がのぼって、思わず口元に握りこぶしを当てて横を向いた。

「な、何も…………」

「……………」

キッとカナンが目を細めた。

カシャ、と足元にランプを置いて、ぐいと両手で桜の真っ赤な顔を自分へ向ける。

そして静かに顔を傾けて、その唇をふさごうと頬を寄せた。