デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

強く好意を寄せてくれるのは、戸惑ったり悩んだりするが、もちろん嬉しい気持ちもある。

でも、どうやら自分は自信がないあまり、そして今まで女友達すらいなかった筋金入りの独りぼっちだったから、こういう事にはほんとに鈍いらしい。

そんな自分が、あんなきれいな人たちの気持ちに答えを出さないといけないなんて、ほんとどうしろというのか。

「………でもこのくらいはっきり告白されないと、私はわかんないのかもな……」

『青春系少女マンガみたいな爽やかで優しい恋の始まり』という小さな憧れが、ピシピシとひび割れて、ガラガラと崩れ落ちていく音が、頭に響いた。


客用の宮をふと見ると、やっぱり灯りを持った人影がたたずんでいる。

(あ…)

急いで駆け寄ると、灯りに照らされたカナンの横顔がこちらに気づいた。

「意外と早かったな」

「そ、そうかな」

「ああ。あの王都武官から気持ちを告げられたんだろ。その割にはな」

「えっ!!??」

驚愕する桜の顔を無表情にちらりと見て、部屋に入る。

淡々と灯を入れていくカナンを、口を開けて見つめた。

「これでよし」

すっかり明るくなった部屋を見回して、桜が突っ立っている戸口に戻って来た。

「な…何で…」