デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

シュリとは王宮の門で別れた。

公宮の裏門に上がる階段をノロノロと上りながら、桜はまだ赤い顔でわしわしと頭をかいた。

「………っっ」

どうしよう、この状況。

何でこういう事になっているのか。

(王様にカナンにシュリさんって……)

壮大なドッキリでも仕掛けられているのでは、とすら思う。

「もう、意味分かんない」

あんな…あんな事、されたし。

そっと唇に触れて、「ああああ!」と悶絶する。

大体、この人たちは何なんだろう。

告白するにしたって、もっとソフトにできないのか。

いきなり押し倒すわ壁ドンするわ髪の毛引っ張ってキスするわ、何でこう、いきなりデブスに手榴弾投げるようなマネするんだろう。

こっちはあなた達みたいに慣れてないんですよ、と言いたい。

桜はいつも、もし誰かと付き合う事になるんなら、ゆっくりお互いの気持ちが近づいて、相手の事が好きでたまらなくなったら、自然と唇を重ねることができたら、と淡く憧れていた。

それが、これだ。

(追いつけないよお……)

困惑のため息をつく。

しかも三人が三人とも何か自分に腹を立てて、随分と乱暴に告白してきた。

桜としてはいつも事実や正直な気持ちを言ったまでなのに。