ガィン!!

乱暴な金属音が響いて、桜はハッと目を開けた。

檻の中で、冷え切って硬直した体を起こすと、桜をここまで連れてきたあの中年男が立っていた。

手に掲げたランプの光が、男のテカテカした安っぽい、下品な服装を浮かび上がらせた。

「…?」

昼間のボロとは違う、まるで…サーカスのような衣装。

訳が分からず、眉をひそめる桜をよそに、男は持っていた鍵でガチャガチャと騒々しく檻の扉を開けた。

…出られる!?

とっさにそう淡く期待した桜だったが、またもや髪を乱暴につかまれ、裸のまま引きずりだされた。

「う…」

グイ、と無理やり立たせられると、歩けとばかりに、手に持っていた木のムチでピシリと叩かれた。

暗かったため桜は気付かなかったが、檻のテント部屋の奥の方にはまた別の出入り口がついていて、どうやらそこから外へ出ろということらしい。