デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

よし、じゃあ四日後に髪紐を教えてもらいに行くときに、服をシディさんに頼んでみよう。

……あ。

そうだ、あのことも王様に頼まないといけない。

「王様、あのう……」

「何だ」

「も一つ、お願いがあるんですけど……」

今度は何だ。この娘の「お願い」は突拍子もない可能性があるというのは、今のでよく分かった。
単なる可愛いおねだりなんかではない。

警戒するように、すっと紫の瞳を細めた。

「…聞くだけ聞こうか」

「どこかで働かせてくれませんか」

「何?」

予想外も予想外の言葉に、呆気にとられた。

「私、お金持ってなくて。だからこの間もカナンに全部出してもらったし、昨日や今日だって、シュリさんにごちそうになっちゃいました。だから…」

「……要は、カナンや武官達と街に出るときに、あの者たちに負担にならぬようにしたいということか」

王の言葉に、桜は思い切りうなずいた。

「はい!」

「ダメだ」

硬い声で言って、冷たく横を向く。

「えっ」

「出させれば良い、そのくらい。女と出かけて金を出させるなど、そんな甲斐性のない臣下は持った覚えはないわ」