カナンの言った通り、王は渋い顔をした。
「……女が乗馬など、聞いたことがない。まあそれはそなたの価値観だからいいとして、危ないではないか。落馬でもしたらどうする」
ソファに二人で座り、その長い脚を組んでため息をついた。
「そうならないように、いい乗馬の先生を紹介してくださいませんか、王様」
「なぜ馬になど乗りたいのだ。行きたい場所があるなら馬車を出すこともできるし、王宮内なら私が一緒に乗せてやる」
理解できないと言うように、眉間のシワを深くした。
「馬と心を通わせて、一緒に走るっていいなと思ったんです。それに、誰に頼むことなく、自由に移動出来るでしょう?」
本当に変わっている。つくづく、こんな女は二人といるまい。
女というのは、化粧をし、着飾り、温かくて柔らかい体をもっていて、微笑みを浮かべている可愛い存在だと思っていたのに。
「乗せてもらうのも良いんですけど、やっぱり自分で乗ってみたくなったんです。王様とだって、並んで走った方がきっと楽しい」
「……………」
もう一度、ため息をついた。……仕方がない。彼女の、そんな媚びない素直さに惹かれたのだから。
「条件が一つ」
王が人差し指を立てて桜を見た。
「教える人間と、私が無理だと判断した時はあきらめること。……約束できるか」
ぱあ、と桜の顔が輝いた。大きくうなずく。
「はい!ありがとうございます!」
その笑顔が嬉しくて、ついつられて笑ってしまった。
「……女が乗馬など、聞いたことがない。まあそれはそなたの価値観だからいいとして、危ないではないか。落馬でもしたらどうする」
ソファに二人で座り、その長い脚を組んでため息をついた。
「そうならないように、いい乗馬の先生を紹介してくださいませんか、王様」
「なぜ馬になど乗りたいのだ。行きたい場所があるなら馬車を出すこともできるし、王宮内なら私が一緒に乗せてやる」
理解できないと言うように、眉間のシワを深くした。
「馬と心を通わせて、一緒に走るっていいなと思ったんです。それに、誰に頼むことなく、自由に移動出来るでしょう?」
本当に変わっている。つくづく、こんな女は二人といるまい。
女というのは、化粧をし、着飾り、温かくて柔らかい体をもっていて、微笑みを浮かべている可愛い存在だと思っていたのに。
「乗せてもらうのも良いんですけど、やっぱり自分で乗ってみたくなったんです。王様とだって、並んで走った方がきっと楽しい」
「……………」
もう一度、ため息をついた。……仕方がない。彼女の、そんな媚びない素直さに惹かれたのだから。
「条件が一つ」
王が人差し指を立てて桜を見た。
「教える人間と、私が無理だと判断した時はあきらめること。……約束できるか」
ぱあ、と桜の顔が輝いた。大きくうなずく。
「はい!ありがとうございます!」
その笑顔が嬉しくて、ついつられて笑ってしまった。
