デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

血がすうっと冷たくなるようなその声に、体が震えだす。

「………だ、れ…」

ようやく絞り出した声に、低い笑い声が聞こえた。

――――我らが同胞ではないのか なぜそんな髪と瞳の色をしている

肩に、氷のような手の感触を感じて心臓が跳ねた。

「きゃ……」

冷たい気配がグッと近づいて、桜の耳元にまた声が響いた。

―――得体の知れない女だ  人の子なのに 異質な者

目の前のシュリの愛馬は、相変わらず激しい威嚇をしながら、前脚を盛んに踏みならしている。

「………っ」

動けない桜に、また声が告げる。


―――来てもらおうか


く、と肩にかかった冷たい手に、力が込められた。

「や………」

ひっ、と浅く息をのんだ時。

「桜。悪い、待たせたな」

戻ってきたシュリの快活な声が、その恐怖を破った。