デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「え、はい。私の国、結構それが普通だったりしたんですけど」

「へえ……そうなのか」

どうやら、こっちでは店で買うのが常識らしく、シュリは珍しそうにまばたきした。

「そうなんですよ。『愛妻弁当』なんて言葉があるくらいです」

「なんだ、それ?」

「えと、仲のいい夫婦で、奥さんが旦那さんに作って持たせてあげるんです」

「…………」

思わず、桜と自分で想像してしまう。

頑張って自分のために作った弁当を、この笑顔で“行ってらっしゃい”なんて言いながら、渡してくれるのだろうか。

「イイな………。それ………」

すごくイイ。

目元を染めて、ホワホワと甘い妄想に浸っていたが、

「まあでも最近は奥さんも働く人が多いですから、お互い買って済ませたり、逆に旦那さんが作るパターンもありますけどね」

悪気ない言葉が、それを砕いた。