デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「へ?何でだよ?」

ブラウンの瞳を丸くして、シュリが聞いた。

「だ、だって私黒髪だし、そうでなくたって、こんなひどい容姿だし……シュリさん、馬鹿にされちゃう」

ますます深くフードを引っ張って小さく呟いた。

突然、シュリがひょいとフードを取った。

「!」

驚く桜に、優しく微笑む。

「なーんだお前、そんな事思ってたのか。王宮内なら好きに見せりゃいいんだよ。むしろ見せつけてやろーぜ」

また手をとり階段を降り始めたシュリに、「で、でも……」と困惑の声をかけると、くるりと振り返って真面目な顔で桜を見上げた。

「お前は、いい女だ。それが分からねえ奴らがバカなんだよ」

「!」

真っ直ぐな言葉に、たちまち顔が熱くなった。

嫌でもさっき、二人の女官と交わした会話がよみがえってしまう。

シュリも心なしか頬を染めて、「行こう」とまたうながし、二人は下に停めてあった馬車に乗り込んだ。