デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

朝、風呂から上がって化粧水をつけていると、戸が叩かれ、フラウとルネが朝餉を持って入ってきた。

「おはようございます、桜様」

「おはようございます」

二人が膳を置いているのを見て、あ、と思いついた。

「あの、朝のごはんを下げるときに、公宮の出入り口までの行き方を教えてくれませんか」

シュリと約束したはいいものの、まだあの中は広くてしっかり覚えられない。

「かしこまりました」

二人が笑って退出し、桜はまた鏡の中に目を移す。

あまり自分の顔をまじまじ見たくはないのだが、仕方ない。

(…結構時間かかるなあ、コレ……)

また、面倒くさいという思いが鎌首をもたげるが、シディの般若顔を思い浮かべると、サボれない。

妥協を許さないあのカリスマは、サボったらもう二度と服など貸してくれないだろう。

それは困る。

「でも、いい匂いだな」

ひとり言を言いながら、朝の肌の手入れを終えた。