デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

明日の朝、公宮の門が開く頃にまた約束をして、シュリは宿に帰っていった。

ほろ酔いで公宮の裏門に続く階段を上りながら、桜はさっき馬上で言われたことを思い出す。

(私は、二人のことを好きにはならない、か…)

自分の気持ちが分からないんじゃなくて、はなから二人をそういう対象として見てないんだ、だから断れとシュリは言うのだ。

(そうかなあ。そうなのかな……)

頭がフワフワして、あまりよく考えられない。

(でも…)

触れられると、どきどきする。

優しい言葉をかけられると、胸がふわん、となる。

たまに強引だったり、ムッとしたりはすることもあるけど。

でも嫌じゃない。嬉しいと思うことすらある。

それは、多少は恋愛対象として意識しているんじゃないんだろうか。

(…と、思うんだけどなあ)

それに、何だかシュリさん、私が思っていたような反応じゃなかった。

困ってたような、悲しそうな。

「何でかな〜…」

とん、と渡り廊下に降り立って、客用の宮へ歩き出した。