デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「………へえ、なるほどな」

強張った顔のまま、桜にフードをかぶるよううながし、酒を追加した。

同僚のあの言葉が、頭の中をぐるぐる回る。

「びっくりしました?」

「…すごく」

「ですよね…私も未だに信じられないです。もっときれいな女の人、たくさんいるのに……」

赤い顔のまま、桜も黙り込む。

そこに、店員がにこやかな顔で酒瓶と新しいグラスを持ってくる。

「女性の方は、お飲み物はよろしいですか?」

いきなり振られた桜は、

「えっ…ええと、また同じものを」

慌てて言った。

かしこまりました〜、と愛想よく言って、店員が出ていく。

シュリは、手酌でどんどん飲んでいた。

「時々、王様もカナンも、その……す、す、好きだってこと、態度で示してくれるんですけど…ほんとに、まだわからないんです、自分の気持ちが。だから、どうすればいいのか……。毎日、顔を合わせるし」

そこで言葉を切って、ちら、とシュリを見た。

ふう…と息をついて、赤い顔で頬杖をつき、眉根を寄せて目を伏せている。