デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

すでに夕暮を迎えた王都は、街の灯がきらきらと輝きだしている。

この間も思ったが、やっぱり賑やかで、人が多い。

「相変わらず人間が多いよな、ここは」

シュリが感嘆とも、呆れともつかない息をつきながら言った。

人の邪魔にならないよう、ゆっくりと馬を進める。

「どこに行くんですか、シュリさん?」

「ウマい飯屋があってよ。ちょっとかかるけどな。まあ馬で行けばすぐつく」

シュリの言った通り、しばらく行ったところに店はあった。
馬を店の人間に託して、二人は中に入る。

店内は賑やかだったが、半個室のような席もあり、落ち着いて話ができそうな雰囲気だった。

向かい合って席につくと、シュリが笑った。

「そーか、お前17なら酒も飲めるんだよな」

「あ…でも、飲んだことないんです。私がいた国は、20歳で成人でしたから…」

桜が困ったように言うと、やっぱり目を丸くされた。

「はあ…そうか。じゃあ、ごく軽くて飲みやすいの、頼んでみるか」

どうしようかな、と思ったが、好奇心が勝ってうなずいた。