デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

日の逆光を受けて、背の高い影が立っていた。

「……?」

一瞬分からず、桜が首をかしげると、気配と足音を感じたのか、影が振り返った。

「桜!」

赤の短髪と、ニッコリとした大きな笑顔。

「!」
「シュリさん!」

二人同時に息を呑んで、カナンに風だけを残し、桜がシュリに駆け寄った。

「たった10日少々なのに、久しぶりだなー、桜!」

言うが早いか、がば、と桜を抱きしめ、そのままふわりと彼女を一回転させた。

「わぁ!お、重いですよ、シュリさん!」
「そーか?俺よく分からん。いっつもこき使われてるからな」

すとん、と降ろして、改めてじっとその顔を見つめた。

ニキビがなくなって、似合うメイクをしている。編んだ黒髪は相変わらず艷やかで、黒い瞳は嬉しそうにきらきらしていた。

「お前………か、わいくなった、な」

頬を染めて思わずシュリが言うと、「え」と目を見開いて桜も赤面した。