ゆっくりと王宮敷地内をまわったり、時々馬を降りて建物の解説をしたりしたので、深宮に帰る頃にはもう夕刻だった。
二人が帰って来たのを見て、カナンが腰を上げた。
「もう夕方だし、このまま帰ろうかな。王様、今日はありがとうございました。また明日ですね」
何も知らず一礼する桜に、複雑な笑みを返す。
はあ、と小さく息を吐いて言った。
「公宮の、正面入り口に行くが良い。そなたに客だ」
「お客?私に?」
無言でうなずいて、
「カナン、桜をそこまで連れてゆけ」
短く言って、宮の奥へ歩いて行った。
首をかしげる、カナンと桜。並んで歩きながら、桜が呟いた。
「誰だろ……ああ、シディさんとかかな。今日忘れ物しちゃったのかも」
それきり、カナンととりとめのない話をしている間に公宮についた。
夕方とあって、日中よりはぐっと仕事をする文官の数は少ない。
「カナン、これからまたお仕事でしょう?……私を待ってる間に済ませられたら、早く帰れるのにね」
そう言う桜に、カナンは笑った。
「そんなに大した残務はない。家庭も持たない若輩は、そんなもんだ。うるさい上司がいないだけ、かえってはかどるぞ」
軽く首をすくめて見せる。
「はあ…そんなもんかあ」
「そうだ。お前も仕事をすればわかるさ」
カナンのすまし顔にふふ、と笑ったところで、公宮の入り口についた。
二人が帰って来たのを見て、カナンが腰を上げた。
「もう夕方だし、このまま帰ろうかな。王様、今日はありがとうございました。また明日ですね」
何も知らず一礼する桜に、複雑な笑みを返す。
はあ、と小さく息を吐いて言った。
「公宮の、正面入り口に行くが良い。そなたに客だ」
「お客?私に?」
無言でうなずいて、
「カナン、桜をそこまで連れてゆけ」
短く言って、宮の奥へ歩いて行った。
首をかしげる、カナンと桜。並んで歩きながら、桜が呟いた。
「誰だろ……ああ、シディさんとかかな。今日忘れ物しちゃったのかも」
それきり、カナンととりとめのない話をしている間に公宮についた。
夕方とあって、日中よりはぐっと仕事をする文官の数は少ない。
「カナン、これからまたお仕事でしょう?……私を待ってる間に済ませられたら、早く帰れるのにね」
そう言う桜に、カナンは笑った。
「そんなに大した残務はない。家庭も持たない若輩は、そんなもんだ。うるさい上司がいないだけ、かえってはかどるぞ」
軽く首をすくめて見せる。
「はあ…そんなもんかあ」
「そうだ。お前も仕事をすればわかるさ」
カナンのすまし顔にふふ、と笑ったところで、公宮の入り口についた。
