桜は笑って首を振る。
「いいえ、日帰りですから。王様、した事ないですか」
「いや…。私が王宮の外に出るとなったら、近衛に小者にと大層なものになってしまうからな。年に二、三回程しか外には出ない」
桜の後ろで、紫の瞳を伏せた。
「私も、ほんとに小さい時位しかしたことないですけど…」
まだ両親が、心から可愛がってくれていた頃の遠い遠い記憶だ。
小学校の遠足は、お母さんがデパートで買ってきたお弁当を、隅っこで隠すように食べていたっけ。
それを振り払うように頭を振って、くる、と王を見上げた。
「今度、やってみましょうか、王様。このお庭で。意外と新鮮かも知れませんよ」
自分を見上げるその表情に、ドキリとする。
「私の世界の習慣の、実践編です」
ふふ、と笑う。
愛しくて、抱きしめたい衝動をこらえて、瞳を細めた。
「そうだな。本格的に雨が降り始める前にやってみようか」
大きな楽しみが一つできた。嬉しくて、王は美しく笑った。
「いいえ、日帰りですから。王様、した事ないですか」
「いや…。私が王宮の外に出るとなったら、近衛に小者にと大層なものになってしまうからな。年に二、三回程しか外には出ない」
桜の後ろで、紫の瞳を伏せた。
「私も、ほんとに小さい時位しかしたことないですけど…」
まだ両親が、心から可愛がってくれていた頃の遠い遠い記憶だ。
小学校の遠足は、お母さんがデパートで買ってきたお弁当を、隅っこで隠すように食べていたっけ。
それを振り払うように頭を振って、くる、と王を見上げた。
「今度、やってみましょうか、王様。このお庭で。意外と新鮮かも知れませんよ」
自分を見上げるその表情に、ドキリとする。
「私の世界の習慣の、実践編です」
ふふ、と笑う。
愛しくて、抱きしめたい衝動をこらえて、瞳を細めた。
「そうだな。本格的に雨が降り始める前にやってみようか」
大きな楽しみが一つできた。嬉しくて、王は美しく笑った。
