デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

何だかずっとこのまま部屋にいると、この後会うであろうシュリと桜の事ばかり考えそうで、そう提案した。

「お庭ですか」

「ああ、馬でな。時間がたっぷりあるから、王宮内をまわってもいい。案内を兼ねてな」

にこっと笑う王に、桜もうなずいた。

「行きたいです!」

嬉しそうなその様子に、心がほっこりする。

「決まりだ。行こう」

桜の手を取って、深宮の外へ出る。

出入り口に静かに待っていたカナンが驚いて立ち上がった。

「わ…我が君?」

「桜と、王宮内を馬で回ってくる。そちはそこで待て」

いつもは見送るだけの渡り廊下を、桜の手を引いて歩いているのが嬉しくて、小走りになった。

「王様、待って、待ってください」

(脚の長さが全っ然ちがうんだよぉ!)

こけないように、あわあわと必死で付いていく。

すぐに公宮の裏口について、そこから外への階段を下った。
いきなり現れた思わぬ王の姿に、近くで談笑したり、通りがかった臣下達が驚いて、慌てて深く礼をした。

「誰でもよい、予の馬をひけ」

その一言に、武官の一人がすっ飛んで行く。