デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「あのう、髪紐の作り方を、教えて頂けないですか」

思わぬ桜の言葉に、シディは目を丸くした。

「……なんで、また」

「アスナイさんに、髪紐借りっぱなしだったんですけど、返すときにお礼の意味も込めてどうかなって…髪紐だったら何本あっても別に困らないかと思って」

「フーン…」

「ほんとは買ったほうがいいんでしょうけど、私無一文でして」

顔を赤くして下を向いた。

「それに、シディさんに教わるなら、買うよりもいいのが作れるかなって…」

「………アスナイちゃんだけに作るの?」

「えっ?はい」

キョトンとした桜の表情を見るシディ。

(我が君………お察し致しますわ)

主君の苦労をしのんで、はー…と息をついて軽く頭を振った。

「教えるのは構わないわ。でもアナタ、ここにある材料だって、タダじゃないのよ。使うなら、それを所有してらっしゃる方に対して、それなりに対価がいるんじゃなくって?」

(あ……そうか………)

しゅんと下を向く。

「うん……分かりました」

「分かったのね?じゃあ」

王の分と二人分…と言おうとしたシディに顔を上げ、

「王様に言って、やっぱり少しバイトさせてもらいます」

キリッと言い切る桜に、

「ああああイラつくわっ!!!こんなあさって思考の子豚にアタシ敗けたわけ!?じょおおおだんじゃないわよッッ!!」

シディ統括長の名物ヒステリーが炸裂したのだった。