デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

桜にワンピースを渡したあと、「さっ、ヘアまでして帰んのよ」と再び鏡台の前に座らせる。

「……次はヘアメイクを仕込まなきゃね」

ふふふふふ、と低く笑うシディ。

ごくり、と喉を鳴らす桜。

フンフンと鼻歌を歌いながら、素晴らしい速さで桜の髪を編んでゆく。
きらきらした髪紐を組み込んで、またふわりとしたアップにした。

(髪紐……)

ふと、桜はアスナイに借りっぱなしになっている髪紐を思い出した。
……と、ある考えが思いつく。

「シディさん」

「何よ。……ああ、動くんじゃないわよ」

「す、すみません、あの…髪紐って、シディさん作れますか」

「ハア?!」

クワッとシディが鏡越しに桜を睨んだ。

「あう」

「あったりまえでしょ!アタシを何だと思ってんのよ!どんな複雑怪奇な模様だって、アタシにかかれば一時間もかかんないわよ!」

みょーんと両の耳たぶを引っ張られる。

「で、それが何だってのよ、子豚」

おずおずと、桜が言う。