デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

やはり。

それを許したのは自分だ。拒否など出来ない。

今更ながら、あの時のうかつさに歯ぎしりしたい思いだった。報奨など、金を多めに与えて終わりにしていれば。

「……すまぬが、桜は毎日昼過ぎから夕方までは私と話をする時間でな。今日はもう無理ではないか?」

微笑みを作って、わずかに首をかしげた。

シュリは一瞬眉根を寄せたが、すぐに言った。

「では、我が君とのお時間が終わられてから、会いに行きます。明日は桜と朝から会うことができますでしょうか」

「昼までならな」

「明日の、夕方からは」

少しでも会いたいというシュリの熱が、伝わってきた。

「……よかろう。予の…客人だ。あまり夜遅くまで連れ回すことのないように。夕刻になったら、公宮の入り口で待つがよい。桜を向かわせよう」

これが精一杯だった。

明日、丸一日桜といられると思っていたであろうシュリの心中は容易に想像できたが、アスナイと合わせて月6日も一日中桜といられないのは無理だ。
カナンの休みの日だって、この先この間のような事だってあるだろう。

自分は卑怯だ。そう思うが、どうしようもない。

そっと、唇を噛む。王として恥じない心と態度でいたいのに、たった一人の異世界の少女を好きになっただけで、このざまだ。

(……許せ)

心の中で、三人に詫びた。