客用の宮入り口について、カナンは少し金髪を揺らした。
「では、明日朝餉の時間が終わったら馬車に乗るところに連れて行くから」
「うん、ありがとう。次からは一人で行けるように、場所覚えるね」
うなずく桜に、少し緑の視線を外した。
「別に、それは気にしなくて……いい」
「?うん、わかった」
じゃあ、と言って廊下に出ようとするカナンを、あ、と呼び止めた。
「カナン、時間が大丈夫なら、お茶一杯飲んでいって」
二人で外出した夜から、別れる時には時々こうやって桜から誘われるようになった。
どうも、自分が忙しいだろうと毎回声をかけるのはやめているようだが。
「ああ…うん」
「ちょっと待っててね」
パタパタと部屋に入り、水差しのようなものの中に入った冷茶をグラスに注いで持ってきた。
戸口に座って、二人でグラスに口をつける。
「明日、馬車に乗ってどこ行くんだ」
なんの気無しに、カナンが聞いた。
「衣の司に行くの。えと、雨暑期用のワンピースを借りようと思って」
「へえ……」
サラサラと夕方の涼しい風が吹いて、二人の髪を揺らした。
なるべくゆっくりと茶を飲む。この時間を、なるべく長くしたくて。
(毎日、誘ってくれればいいものを)
鈍いというか、気を使いすぎというか。
「では、明日朝餉の時間が終わったら馬車に乗るところに連れて行くから」
「うん、ありがとう。次からは一人で行けるように、場所覚えるね」
うなずく桜に、少し緑の視線を外した。
「別に、それは気にしなくて……いい」
「?うん、わかった」
じゃあ、と言って廊下に出ようとするカナンを、あ、と呼び止めた。
「カナン、時間が大丈夫なら、お茶一杯飲んでいって」
二人で外出した夜から、別れる時には時々こうやって桜から誘われるようになった。
どうも、自分が忙しいだろうと毎回声をかけるのはやめているようだが。
「ああ…うん」
「ちょっと待っててね」
パタパタと部屋に入り、水差しのようなものの中に入った冷茶をグラスに注いで持ってきた。
戸口に座って、二人でグラスに口をつける。
「明日、馬車に乗ってどこ行くんだ」
なんの気無しに、カナンが聞いた。
「衣の司に行くの。えと、雨暑期用のワンピースを借りようと思って」
「へえ……」
サラサラと夕方の涼しい風が吹いて、二人の髪を揺らした。
なるべくゆっくりと茶を飲む。この時間を、なるべく長くしたくて。
(毎日、誘ってくれればいいものを)
鈍いというか、気を使いすぎというか。
