「そうなんですか…安心しました。汗びっしょりで過ごさないといけないかと思っちゃった」
ほっとする。
「もしそうなったらみっともなくて恥ずかしいから、王様にも会わずに部屋にこもろうかと思ってたんですよ」
軽く言う桜に、王は片眉を上げて薄く笑った。
「それなら、そなたの部屋は寒冷期並に冷やすとしようか」
冗談に聞こえないから、桜は慌てて遠慮した。
深宮の出入り口に来ると、二人の話し声が聞こえたのか、カナンが姿を見せた。
「カナン。明日、朝餉の時間が終わったら桜を馬車まで連れてゆけ」
王の言葉に、カナンが一礼した。
「かしこまりました」
そして、桜を目で促す。
「じゃあ、王様、また明日ですね」
桜も頭を下げて、カナンと連れ立って歩き出した。
入り口の柱に身をもたせかけて、夕日を受けるその後ろ姿を見つめる。
「…………」
桜に想いを寄せる者としての本音を言えば、自分と桜の伝達係としての役割を解いてしまいたいところなのだが。
臣下を見る主君としては、桜と関わった事で表情一つから明らかに変わったカナンを見て安心したのも、また事実だった。
ほっとする。
「もしそうなったらみっともなくて恥ずかしいから、王様にも会わずに部屋にこもろうかと思ってたんですよ」
軽く言う桜に、王は片眉を上げて薄く笑った。
「それなら、そなたの部屋は寒冷期並に冷やすとしようか」
冗談に聞こえないから、桜は慌てて遠慮した。
深宮の出入り口に来ると、二人の話し声が聞こえたのか、カナンが姿を見せた。
「カナン。明日、朝餉の時間が終わったら桜を馬車まで連れてゆけ」
王の言葉に、カナンが一礼した。
「かしこまりました」
そして、桜を目で促す。
「じゃあ、王様、また明日ですね」
桜も頭を下げて、カナンと連れ立って歩き出した。
入り口の柱に身をもたせかけて、夕日を受けるその後ろ姿を見つめる。
「…………」
桜に想いを寄せる者としての本音を言えば、自分と桜の伝達係としての役割を解いてしまいたいところなのだが。
臣下を見る主君としては、桜と関わった事で表情一つから明らかに変わったカナンを見て安心したのも、また事実だった。
