「桜。お召だ。行くぞ」
昼下がり、戸口を開けて、カナンが顔を出した。
「うん」
うなずいて、渡り廊下に出る。
宮中が衣替えだと言っていたルネの言葉通り、カナンも今までよりも薄手の着物を着ていた。
薄水色のそれは涼しげで、彼のツンとした美貌によく似合っていた。
「いいなあカナン、美人だからなんでも似合うね」
心の声をそのまま笑顔で言うと、「何だいきなり………」と赤面して、そっぽをむかれた。
「また、ネコミミつけてよ。すごい似合ってたよ」
「嫌だ。嬉しくない」
「じゃあ私も何か一つ、カナンの言う通りの格好するから」
大して深く考えずに口にしたその言葉。
桜はおもしろ仮装と滑稽な化粧のような物のつもりで軽く言ったが、カナンはアレコレ想像してまた顔を赤くしていた。
そうしている間に、深宮に着く。
「じゃあね」
「ああ」
いつもの短い挨拶をして、カナンは桜を見送った。
「王様、こんにちは」
部屋に入ると、これまたいつも通りの挨拶をする。
「桜」
嬉しそうに微笑んで、王が手招きした。
あの日から、座椅子ではなくソファのままだ。さすがにあんなに密着はしないが、座椅子よりもお互いの距離は近い。
「座椅子に戻さないんですか」と聞いたことがあったが、「こっちがいい」と一言あったきりで、そのままだ。
昼下がり、戸口を開けて、カナンが顔を出した。
「うん」
うなずいて、渡り廊下に出る。
宮中が衣替えだと言っていたルネの言葉通り、カナンも今までよりも薄手の着物を着ていた。
薄水色のそれは涼しげで、彼のツンとした美貌によく似合っていた。
「いいなあカナン、美人だからなんでも似合うね」
心の声をそのまま笑顔で言うと、「何だいきなり………」と赤面して、そっぽをむかれた。
「また、ネコミミつけてよ。すごい似合ってたよ」
「嫌だ。嬉しくない」
「じゃあ私も何か一つ、カナンの言う通りの格好するから」
大して深く考えずに口にしたその言葉。
桜はおもしろ仮装と滑稽な化粧のような物のつもりで軽く言ったが、カナンはアレコレ想像してまた顔を赤くしていた。
そうしている間に、深宮に着く。
「じゃあね」
「ああ」
いつもの短い挨拶をして、カナンは桜を見送った。
「王様、こんにちは」
部屋に入ると、これまたいつも通りの挨拶をする。
「桜」
嬉しそうに微笑んで、王が手招きした。
あの日から、座椅子ではなくソファのままだ。さすがにあんなに密着はしないが、座椅子よりもお互いの距離は近い。
「座椅子に戻さないんですか」と聞いたことがあったが、「こっちがいい」と一言あったきりで、そのままだ。
